最近はテレワークの増加に伴い、企業に所属していながら、“コワーキングスペース”を利用して業務を行う方も増えてきました。
しかし、このような公共の場を利用する場合、情報セキュリティの意識は強く持たなければいけません。
ここからは、コワーキングスペース利用時の主な情報セキュリティ対策について解説します。
コワーキングスペースの概要
コワーキングスペースとは、専用の個室スペースではなく、共有型のオープンスペースで業務を行うスタイルのオフィススペースをいいます。
利用料金を支払えば、施設内のデスクやイス、Wi-Fiなどを自由に利用することが可能です。
レンタルオフィスやシェアオフィスとの違いは、基本的にはパーテーションのないオープンスペースに設けられた、フリーアドレスの席を利用するところであり、仕事場としてだけでなく、利用者間の交流にも重きを置いているところが特徴です。
コワーキングスペース利用時の情報セキュリティ対策6選
コワーキングスペースは非常に便利ですが、オープンなスペースであるがゆえに、個室または半個室のレンタルオフィスなどと比べて、少し情報セキュリティ体制には不安が残ります。
よって、利用時には以下のような情報セキュリティ対策を実施しましょう。
・スリープの徹底
・ファイルの暗号化
・Wi-Fiのセキュリティ強度チェック
・モニタリングアラーム
・バッグやケースのロック
・ロッカーの利用
スリープの徹底
コワーキングスペースでは、オープンスペースにパソコンやスマートフォン、タブレットなどのデバイスを置いた状態で作業を行います。
そのため、離席時に情報を盗み見されたり、故意でなくとも第三者の目に入ってしまったりする可能性はあります。
よって、離席する際は、必ず上記のデバイスをスリープモードにし、パスコードがなければ情報が閲覧できないようにしておきましょう。
ファイルの暗号化
パソコンやスマートフォンなどをパスコードで保護していても、通信環境から情報が洩れてしまっては意味がありません。
よって、コワーキングスペースにおいて、メールやチャットでのファイル送信を行う場合は、必ず暗号化しましょう。
こうすることで、万が一送信ミスなどが発生しても、簡単に情報が漏えいすることはなくなります。
Wi-Fiのセキュリティ強度チェック
コワーキングスペースのフリーWi-Fiは、快適な業務を行うにあたって欠かせない設備の1つです。
しかし、もしセキュリティ保護がされていないのであれば、利用しないことをおすすめします。
セキュリティ保護のないWi-Fiを利用すると、自身が閲覧しているWebサイトのURLや履歴、メールの内容などを、同じWi-Fiに接続している第三者が簡単に取得できるようになります。
また、通信内容を傍受しているのが悪意のある人物だった場合、偽サイトに誘導するためのメールを送付したりして、ウイルスに感染させる、パスワードを窃取するといった攻撃が行われることも考えられます。
モニタリングアラーム
自身が利用するスペースが、人目の届きにくい場所であったり、デバイスが小型で持ち去られやすかったりする場合は、“モニタリングアラーム”を導入しましょう。
こちらは、事前に設定しておくことで、離席時にデバイスが動かされた場合に、アラーム音で知らせてくれるというものです。
もちろん、その場にデバイスの持ち主がいなくても、周囲の人物やコワーキングスペースの従業員などが異変に気付いてくれるため、不正操作や窃取の被害に遭う可能性は低くなります。
ちなみに、モニタリングアラームは1つ3,000~8,000円程度で購入できます。
バッグやケースのロック
コワーキングスペースを利用する方の中には、パソコンやスマートフォンなどのデバイスだけでなく、企業の機密情報が記載された資料を持ち歩く方もいるでしょう。
また、これらの資料は、当然バッグに入れて持ち歩くかと思いますが、少しでも情報セキュリティリスクを軽減させたいという方は、バックや書類ケースにも物理的にロックをかけておきましょう。
ビジネスバッグには、置き引きを防ぐためのセキュリティワイヤーやダイヤル錠が取り付けられたものもあるため、コワーキングスペースを利用するタイミングで購入することをおすすめします。
ロッカーの利用
コワーキングスペースには、ロッカーが設置されているところもあります。
よって、もし利用できるのであれば、必要最低限のものだけをデスクの上に出し、後は施錠したロッカーで保管しておきましょう。
また、ロッカーの中に保管するバッグやケースにも、先ほど解説したようなダイヤル錠などのロックをかけておけば、まず情報が漏えいすることはないでしょう。
まとめ
ここまで、コワーキングスペースを利用する際、意識したい情報セキュリティ対策について解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
今後はさらに、コワーキングスペースを利用する企業勤めの方が増加すると思われます。
よって、利用する本人だけでなく、テレワークを導入する企業も、従業員に対して情報セキュリティ対策の意識付けを行わなければいけません。