UTM導入の必要性が高い企業と正しい選び方について

情報セキュリティ

企業における情報セキュリティ対策の1つに、“UTM”の導入が挙げられます。
こちらは、近年ますます種類、手法が複雑化するサイバー攻撃などの脅威に対抗するため、企業が採り入れるべきシステムです。
今回は、UTM導入の必要性が特に高い企業の特徴、UTMの選び方について解説したいと思います。

UTMとは?

UTMは、Unified Threat Managementの略で、日本語では“統合脅威管理”と訳されます。
簡単にいうと、いくつかのセキュリティ機能を1つの製品に一元化させ、さまざまなリスクに対応するためのシステムです。
冒頭でも触れたように、近年マルウェアやフィッシング、不正アクセスといった脅威は多様化していて、ファイアウォールやアンチウイルスソフトだけでは、なかなか対応できなくなっています。
このような状況を打破するのがUTMであり、導入することで効率的な情報セキュリティ対策を取ることができます。

UTM導入の必要性が高い企業の特徴5選

UTMは、すべての企業にとって非常に効果的な情報セキュリティ対策ですが、以下の特徴を持つ企業は、特に導入の必要性が高いと言えます。

・顧客情報を取り扱う企業
・セキュリティ担当者がいない企業
・規模が小さい企業
・簡単に情報セキュリティ体制を強化したい企業
・スピーディーなトラブル対応をしたい企業

顧客情報を取り扱う企業

顧客情報を漏えいさせてしまうことは、企業にとって大きなダメージにつながります。
場合によっては、経済的な損失が出るだけでなく、信用の失墜によって廃業に追い込まれる可能性もあります。
よって、顧客情報を取り扱う企業は、UTMを導入し、あらゆる角度から漏えいを防止しなければいけません。

セキュリティ担当者がいない企業

セキュリティ担当者は、企業における情報セキュリティ体制を構築し、適切な運用を行う重要な人物です。
しかし、実際は人員不足などにより、セキュリティ担当者を配置できていないという企業も少なくありません。
このような企業は、UTMを導入し、担当者不在でもネットワーク全体を監視できる環境を整える必要があります。

規模が小さい企業

規模が小さい企業は、人員が不足していたり、情報セキュリティ体制強化に費やせるコストが少なかったりします。
そのため、必然的にセキュリティ機器やソフトウェアの個別管理は難しくなります。
一方、UTMを導入すれば、このような規模の小さな企業であっても、コストや人的リソースの負担を減らしながら、適切な情報セキュリティ体制を作り上げることができます。

簡単に情報セキュリティ体制を強化したい企業

企業の情報セキュリティ体制を強化することは、決して簡単な作業ではありません。
セキュリティ関連機器を何台も購入し、複数台の保守点検を行うためには、それなりの手間と時間、コストを要します。
UTMは、一元化管理のシステムであるため、上記の方法と比べて、工数をかけず情報セキュリティ体制を強化することが可能です。

スピーディーなトラブル対応をしたい企業

企業において、情報セキュリティに関するトラブルが発生した場合、専門知識がなければスピーディーに対応するのは難しくなります。
一方、UTMには保守やサポートなどのサービスも付帯しているため、それほど多くの知識がなくても、迅速にトラブルを解決し、被害の拡大を防止することができます。

UTMの正しい選び方5選

UTMを導入する企業は、以下のポイントをチェックし、より良い情報セキュリティ体制が構築できるような製品を選びましょう。

・サポート体制
・企業とマッチする機能
・仮想環境への対応
・使いやすさ
・耐久性

サポート体制

国内のサポート窓口があり、なおかつ販売実績が豊富なUTM製品であれば、トラブル発生時の対応がスムーズになることが予想されます。

企業とマッチする機能

UTMを導入する際は、自社の必要な情報セキュリティ機能を洗い出し、それらをすべて実装している製品を選ぶことが重要です。

仮想環境への対応

サーバを仮想化したクラウド型のUTMは、新たな設置スペースが必要なく、なおかつ消費電力も少ないです。
また、導入もスムーズに行えるため、仮想環境に対応しているかどうかは、クラウド型UTMを選ぶときには必ずチェックしましょう。

使いやすさ

UTM製品の中には、1台にさまざまな機能が集約されているものの、操作性が統一されていない製品もあります。
このような製品は使いやすさに欠けるため、避けるのが無難です。
また、画面に表示される用語が専門的だったり、日本語対応が不十分だったりするものも、決して使いやすいとは言えません。

耐久性

UTMには、情報セキュリティ対策を一元化するがゆえに、そこで問題が生じると、セキュリティ全体が脆弱になるという弱点があります。
よって、製品を選ぶ際は、必ず障害に対する強さ(耐障害性)を確認しましょう。

まとめ

ここまで、企業において重要な役割を果たすUTMについて解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
現行の情報セキュリティ体制に不安を感じていたり、思い切って体制を一新したいと思っていたりする企業は、この機会にUTMについて詳しく調べてみましょう。
きっと多くの企業が、そのメリットと必要性の高さに気付くかと思います。

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