Googleが提供する無料のWebメールサービスである“Gmail”は、ビジネスシーン等で非常によく利用されます。
ただ、過去にはGmailにおいてさまざまな不具合が発生していて、今後同じような不具合は発生しないとは言い切れません。
ここからは、実際過去に発生したGmail不具合の事例を中心に解説していきましょう。
①Ghost Emailsの発生
2018年後半ごろ、Gmailにおいて、送信先のメールアドレスを表示せず、空欄にできるバグが発生しました。
これは、“Ghost Emails”と呼ばれるもので、フィッシング詐欺等において、怪しいメールを開かせるために悪用される可能性があると報告されたものです。
名前の由来は、送信先のメールアドレスが表示されないことが、“お化け(Ghost)”にメールを送っているように見えることです。
ちなみに、Ghost Emailsを発見したセキュリティ研究者であるティム・コットン氏は、他にもGmailにおけるFromヘッダの処理の問題により、細工された受信メールが送信済みフォルダに保存されるバグも発見しています。
②アカウントへのアクセス不能
かなり古い話にはなりますが、2009年、Gmailにおいて大規模な不具合が発生しました。
具体的には2009年2月24日18時30分(日本時間)過ぎに、Gmailのモニタリングシステムが世界規模で一般ユーザー、および法人向けを始めとするGoogle Apps各エディションでGmailを利用するユーザーが、そのアカウントにアクセスできなくなる不具合を検知したという事例です。
また、このとき、英語版Gmailを使用し、Gmail LabsのOffline機能を有効にしていた方は、Inboxにはアクセスできるものの、新たなメールを送受信することができなくなっています。
もちろん、最終的にこの不具合は解決しましたが、2時間半もの間ユーザーはGmailアカウントにアクセスできない状況に陥りました。
Gmailへの不正アクセス事件について
Gmail自体に不具合があったわけではありませんが、過去にはGmailが不正アクセスを受け、情報セキュリティ事件に発生してしまったという例も報告されています。
今後、Gmailへの不正アクセスが、大規模な不具合へと繋がる可能性はゼロではないため、下記のような事件があったということは念頭に置いておきましょう。
業務用Gmailアカウント乗っ取り事件
2013年、香川県の農業経営課土壌測定診断室の嘱託職員が、業務で使用しているGmailアカウントを乗っ取られ、ショッピングサイトへ誘導する怪しいメールの送信に悪用されるという事件がありました。
同県によると、2013年7月23日の夕方、何者かが職員のGmailアカウントにログインし、本人になりすましてアドレス帳に登録されていた関係者に対し、不正にメールを送信していたとのことです。
不正にログインされたのはメキシコで、メールはサプリメントのショッピングサイトに誘導する内容でした。
また、このアカウント乗っ取りにより、送受信した業務メールの内容が漏えいした可能性があり、メールには土壌診断結果などの業務情報と、85人の氏名などが保存されていました。
同県はこの事態を受け、関係者に謝罪し、同職員のGmailと県のメールシステムにおいて送受信を停止しました。
そして、今後はフリーメールの業務使用禁止を徹底するとしています。
Gmailの不具合が発生しているか確かめるには?
Gmailに不具合が発生している場合、Googleや各セキュリティサイトによってプレスリリースが出されます。
ただ、まだGoogle自体が不具合を把握していない場合は、SNS等で「Google 不具合」と検索してみましょう。
そうすれば、自身と同じような不具合を報告している方が見つかるはずです。
また、“動作が遅い”など、通信環境に問題があると考えられる場合は、まずその場でできる対処をしましょう。
具体的には以下のような対処です。
①ブラウザの状態をチェックする
Gmailの動作が遅いという状態は、ほとんどの場合ブラウザのトラブルシューティングを実行すれば解決できます。
また、これによって問題が解決した場合は、ネットワークに遅延が発生していると考えられます。
②アカウントについてチェックする
Gmailの動作が遅い場合は、アカウントのリクエスト制限に達していないかをチェックしましょう。
メールクライアントによるメールチェックの頻度が高すぎる場合などに、制限に達することがあります。
③ラベル、フィルタをチェックする
ラベルが500個以下になるようにGmailラベルを削除したり、フィルタが500個以下になるようにGmailフィルタを削除したりすれば、Gmailのパフォーマンスは最大限に引き出せます。
ちなみに、“Gmailが読み込めない”という状態になったときは、Gmail対応ブラウザであるかどうかを確認したり、ブラウザの拡張機能やアプリケーションを確認したりすることで、ある程度解決できます。
まとめ
ここまで、過去に発生したGmail不具合の事例などについて解説してきました。
今後、Gmailの不具合やセキュリティ事件が発生したときは、必ずその詳細を確認し、今後の利用に活かしましょう。
また、動作が遅かったり、読み込めなかったりするからといって、不具合が発生しているとは限りませんので、まずは可能な限り自分でチェックを行いましょう。
もちろん、他のユーザーの状況を確認することも忘れてはいけません。