病院で診察を受けると、必ず患者さんの個人情報を取り扱うことになります。医療機関は患者さんに個人情報の利用目的について説明するとともに、徹底して管理・保護する必要があります。
医療機関における個人情報の種類
医療機関における患者さんの個人情報は多岐にわたります。代表的なものを挙げてみましょう。
患者さんの氏名
住所
電話番号
生年月日
保険証の番号、情報
現在の病名、症状
病歴(既往歴)
処方した薬の情報
家族構成・家族歴
クレジットカード情報
「これも個人情報として患者さんから提供を求めるの?」という情報もあるかもしれません。個人情報は医師が診療するうえで必要と判断すれば、上記以外にも提供を求めることがあります。
医療機関が患者さんから得た個人情報・医療情報は、本人の同意を得ずに共有されることはありません。
患者さんは情報提供について同意できない場合はこれを拒否することができ、医療機関は個人情報の利用について、患者さんにしっかりと説明し、納得していただく必要があります。
医療機関が個人情報を利用する目的とは
医療機関が患者さんから取得する個人情報が多岐にわたるように、その利用目的も多岐にわたります。
たとえばお薬を処方する場合も、患者さんの症状やアレルギー等がわからなければ処方のしようがありません。ここでは、医療機関が個人情報を利用する目的として代表的なものを見ていきましょう。
患者さんに提供する医療サービス
医療保険事務
入院・退院等に関わる病棟管理
会計・経理
医療事故等の報告
ご家族への症状の報告
他の医療機関等からの照会への回答
調剤薬局、他の病院等への情報提供
検体検査業務の委託その他の業務委託
診察のため外部の医師等から意見・助言を求める場合
患者さんの個人情報は診察を受けた病院内だけで管理されるものではなく、必要に応じて薬局や別の医療機関等に提供することもあります。
また、患者さんのご家族の方が病院に対して症状や医療サービスについて問い合わせをされたとしても、患者さんご本人の同意がなければ、たとえご家族といえども個人情報を第三者に提供することはありません。
病院でも徹底した個人情報の管理・保護
2017年5月30日から個人情報保護法が改正され、個人情報を保有している事業者はその保有数にかかわらず保護する義務があります。また、従業員に対して個人情報の取り扱いに関する教育が必要であると定められています。
医療機関では今後も個人情報の取り扱いの意識を高め、具体的な対策を講じる必要があります。