“サイバーデブリ”とは?悪用されないための対策は?

情報セキュリティ

企業の中には、パソコン等の機器を新しく導入する一方で、これまで使用していたものの管理がおろそかになっているところもあるでしょう。
ただ、そのままでは大量の“サイバーデブリ”を所有することになってしまいます。
今回は、サイバーデブリの概要や悪用されないための対策などについて解説します。

サイバーデブリの概要

適切なアップデートを受けず、管理者不在のまま放置されているネット関連機器(主にIoT機器)を“サイバーデブリ”といいます。
デブリとは、本来フランス語で“破片”や“残骸”を意味する言葉を指しますが、“ゴミ”という意味で使用されることもあります。
つまり、サイバーデブリは、まるでゴミのように放置されたネット関連機器だということです。
近年はIoTの進化が進んでいるため、今後これらの数は増加し続ける傾向にあります。
ちなみに、アップデートを怠っているものだけでなく、サポート期間が終了し、アップデートができなくなった状態の機器もサイバーデブリに該当します。

放置し続けることのデメリットについて

企業がサイバーデブリに適切な処理を施さず、放置し続ける場合、以下のようなデメリットが生まれます。

・サイバー攻撃を受ける
・踏み台として悪用される

サイバー攻撃を受ける

先ほども触れたように、サイバーデブリは本来必要である適切なアップデートを受けていません。
そのため、たとえ使用していないとはいえ、脆弱性は残ったままであり、サイバー攻撃の対象になる可能性は極めて高いです。
もちろん、何かの拍子にサイバーデブリを起動させたり、現行のパソコン等に接続させたりした場合には、社内全体にマルウェア等が広がってしまうおそれもあります。

踏み台として悪用される

サイバーデブリをそのまま放置していると、踏み台としてサイバー攻撃者に悪用される可能性もあります。
つまり、直接マルウェアなどを送り込まれるわけではなく、サイバーデブリを乗っ取ることで、他のデバイスに対して攻撃を仕掛けられるかもしれないということです。
また、使用していないルータやその他のIoT機器などを多数抱える企業の場合、踏み台攻撃に遭った場合の対処が追い付かないことも考えられます。

悪用されないための対策について

企業はサイバーデブリに攻撃を仕掛けられたり、踏み台として利用されたりしないようにするために、以下の対策を取っておきましょう。

・適切なアップデートを行う
・古い機器の使用は控える

適切なアップデートを行う

アップデートができるにも関わらず、管理者がいないことなどが理由でそのまま放置されているネット関連機器は、早急にアップデートしましょう。
これだけでも、企業におけるサイバー攻撃の危険性はかなり軽減できます。
また、比較的新しいIoT機器などは、ネットに接続することで自動的にアップデートされる場合がありますが、古い機器はそうとは限りませんので、注意してください。

古い機器の使用は控える

サポート期間が終了し、アップデートをしたくてもできないという機器がある場合は、おとなしく使用を控えましょう。
そうしなければ、企業全体の脆弱性は改善されず、むしろ増加の一途を辿ってしまいます。
もちろん、たとえ企業の従業員が、古い機器の方が使いやすいと感じている場合でも、サポートが受けられる新しい製品に切り換えなければいけません。

ネット関連機器を適切に処分する方法について

サイバーデブリを今後一切使用しないのであれば、適宜処分していくことも考えていかなければいけません。
ここからは、サイバーデブリになりやすいルータ、カメラの具体的な処分方法を見ていきましょう。

ルータの処分方法について

ルータを処分する場合は、まず初期化を行わなければいけません。
初期化することで、プロバイダのIDとパスワードをリセットできます。
また、初期化の方法に関しては、本体の側面もしくは底面などのリセットボタンを押すだけでできるものもありますが、できない場合は取扱説明書をチェックして、必ず初期化を完了させましょう。
ちなみに、処分の方法は以下の3つです。

・自治体で処分する
・メーカー、家電量販店に引き取ってもらう
・不用品回収業者に依頼する

カメラの処分方法について

監視カメラ等の処分方法は、通常の粗大ゴミやOA機器の処分方法と変わりません。
また、すべての端末をリース契約、レンタルで所有しているのであれば、各契約会社に返却すれば問題ありません。
ただ、リースにはあらかじめ定められた契約期間があります。
例えば、3年契約の途中などに解約すると、別途費用が発生する可能性があるため、注意してください。

まとめ

ここまで、サイバーデブリの概要や対策を中心に解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
IoTが進化することで、企業における業務や私たちの生活はどんどん便利になっていきますが、その分危険な状態の機器は増えやすくなります。
したがって、新しい機器を導入したら、古い機器を処理するという風に、セットで実施することを常に意識しておきましょう。

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