巷では、個人を対象にした“サイバーストーカー”の存在が問題視されています。
サイバーストーカーは、対象となった方に不安や恐怖を与える極めて悪質な存在であるため、対策を知っておいて損はありません。
ここからは、サイバーストーカーの概要と併せて、対策を詳しく解説していきます。
サイバーストーカーの概要
サイバーストーカーとは、名前の通り、インターネットを通じてストーキングを働く人物の総称を言います。
具体的には、恋愛感情または憎悪感情をきっかけとし、インターネット上で監視、付きまとい、なりすまし、個人情報拡散などを行うことで、対象者の方に精神的なダメージを与える人物を指しています。
“ネットストーカー”とも呼ばれていますね。
どんな手口を使ってくるのか?
サイバーストーカーは、主に以下のような手口で、対象者の方に大きな不安や恐怖を与えます。
① SNS等の監視
常にSNSを監視し、対象者の方のプロフィールや趣味、行動などを把握します。
もちろん、公開されているSNSの情報を閲覧しているだけなので、この段階では犯罪行為とは言えませんが、ここからさらに行動が悪質になっていくことが考えられます。
② ダイレクトメッセージ等の連続送信
SNS等において、対象者となる方にダイレクトメッセージを連続送信します。
特に、対象者の方が嫌がっているにも関わらず、日常的にダイレクトメッセージが連続送信される場合は、サイバーストーカーの仕業である可能性が高いでしょう。
ちなみに、現行のストーカー規制法では、このような連続送信がストーキングに該当すると定義されています。
③ 個人情報の拡散
SNS等で収集した対象者の方の氏名、住所、勤務先(学校)などの情報を、掲示板あるいはSNSに投稿し、拡散します。
これは、ストーキングとはまた別で、名誉棄損あるいはプライバシーの侵害に該当する可能性がある、極めて悪質な行為です。
④ アカウント乗っ取り
SNS等のアカウントを乗っ取って、本人になりすまして投稿をしたり、個人情報を窃取したりします。
この行為は、不正アクセス禁止法における犯罪行為に該当する可能性が高いです。
被害を防ぐための対策は?
1度サイバーストーカーのターゲットになってしまうと、問題解決までかなりの労力を要しますし、何より精神的なダメージを負い続けることになります。
そのため、以下のような対策をして、日ごろから被害に遭わないように努めましょう。
① なるべくSNS等への個人情報掲載は控える
サイバーストーカーへの対策として、最優先で取り組みたいのは、何と言ってもSNS等への個人情報掲載を控えることです。
ただ、文章としての個人情報掲載を控えるだけでは、サイバーストーカーのターゲットになる可能性があるため、注意してください。
例えば、掲載している写真に自宅が映っている場合、間取りや窓の外に見える風景などから、住所を特定されてしまう可能性があります。
また、細かい文字が映り込んでいる場合も、その文字を解析して、勤務先や学校などの情報を窃取される可能性があるため、十分注意しましょう。
掲載前には、必ず写真や文章を見直すことをおすすめします。
② 特定の個人、団体を否定するような文言は控える
SNS等に文章を投稿する場合、特定の個人や団体、組織などを否定するような文言の投稿は控えましょう。
なぜなら、その否定した対象の恨みを買い、サイバーストーカーのターゲットにされてしまう可能性があるためです。
③ 好意を持たれそうな文言は控える
サイバーストーカーの被害に遭わないようにするには、相手を否定する文言だけでなく、好意を持たれそうな文言の投稿も控えるようにしましょう。
一方的に好意を抱かれることも、十分サイバーストーカーの被害に遭う原因になります。
④ 複数のアカウントを持つ
SNS等を利用する場合は、なるべく複数のアカウントを持つようにしましょう。
そうすれば、もし1つのアカウントにダイレクトメッセージの連続送信などがあっても、すぐ使用するアカウントを切り替えることができます。
また、その間に被害対象となっているアカウントを削除すれば、必ず1度はサイバーストーカーのストーキングを断ち切れます。
⑤ タグ付けには注意を払う
SNSには、“タグ”というものが存在します。
これは、特定のワードを入力して文章を投稿することで、次回その文章が検索しやすくなったり、同じ趣味の方と内容を共有できたりする機能を指します。
ただ、このタグの中に、自身が住む場所に近い建物名などを入力してしまうと、個人情報を特定されやすくなります。
また、たくさんタグを付けるほど、その危険性は上がってしまうため、付けすぎには注意しましょう。
まとめ
ここまで、個人の方に向けて、サイバーストーカーの概要や手口、対策について解説してきました。
インターネット、特にSNSを利用している場合、サイバーストーカーのターゲットになる危険性は、男性女性関係なく潜んでいます。
そのため、自身の情報セキュリティ体制を強固にして、正しい利用方法でサイバーストーカーを遠ざけることを意識しましょう。