個人情報の無断使用は個人情報保護法違反であり、会社は常にボーダーラインを意識しておかなくてはいけません。
どのラインからが“個人情報”に当たるのかを知っておくことで、個人情報の無断使用を防ぐことが出来ます。
今回は、個人情報を無断使用しないための注意点を解説していきます。
個人情報を無断使用しないための注意点①個人が特定出来る情報だけが“個人情報”ではない事を理解する
個人情報保護法によって守られている日本の個人情報ですが、そもそも“個人情報”の定義とは何なのかを知っておきましょう。
例えば、“○○会社に勤める○○さん”という情報があったとします。
この情報の中には、○○さんの住所や電話番号などが入っていないので、この段階では個人情報であるかの判断は難しいです。
ただこの“○○企業に勤める○○さん”という情報以外に、他の情報を組み合わせることで、最終的には個人が特定出来る情報になってしまう可能性があります。
つまり、個人情報保護法が定義する“個人情報”とは、個人の勤務先や役職、もっと言えば趣味や特技なんかも、“個人情報”に当たることになっています。
どの情報も、他の情報と組み合わせれば十分に個人が特定出来る情報だという判断です。
取引先の方と、名刺を交換する機会もありますよね。
名刺には電話番号や氏名が載っていますが、“相手から開示されたもの”という安易な考えを持っていると、個人情報の無断使用に繋がる可能性があります。
名刺はあくまで、会社の人物同士が連絡を取るために、紹介するために利用されるものです。
従って、名刺の住所宛てにDMを送るなどという行為は、個人情報保護法において無断使用に当たる可能性が高いです。
個人情報を無断使用しないための注意点②個人情報を集める際の注意点
企業の商品に対して、利用した感想やレビューを書いて送ってもらう“アンケート形式”のハガキなどは、細心の注意を払って管理しましょう。
このアンケートは、顧客からの意見を参考に出来るメリットがありますが、言い換えれば“個人情報を集める”ということになります。
従って、顧客には“アンケートを実施する”という旨をしっかり伝えなくてはいけません。
アンケートとは言え、れっきとした個人情報です。
個人情報保護の観点で言えば、何も伝えずに顧客の情報を集めるのはナンセンスです。
個人情報を無断使用しないための注意点③キャンペーンを実施する際の注意点
企業の販売促進の一環として、キャンペーンもまたアンケートとともによく利用される手法です。
キャンペーンには、顧客が個人情報を書いて送付する応募券というものがありますね。
この応募券が企業に届いた後、どのような処理を行うかというのも、顧客にしっかりと伝えておく必要があります。
“個人情報の第三者への提供はない”、“キャンペーンが終了次第すぐに破棄する”ということを伝えておかないといけません。
また当選者を発表する際も、必ず本人に許可を得ないといけません。
何も伝えずに公表してしまうことは、いくら当選者の発表とはいえ個人情報の無断使用に繋がりかねません。
企業は業者を問わず、適切な個人情報の管理がされていることを証明するマークの取得を目指しましょう。
そうすれば顧客の信頼性も高まり、うっかり個人情報を無断使用してしまうような初歩的なミスも防ぐことが出来ます。