企業が“レピュテーションリスク”を避けるための方法

情報セキュリティ

日々業務を行っていく中で、企業はあらゆるリスクを避けるための工夫をしなければいけません。
そんなリスクの1つに、“レピュテーションリスク”が挙げられます。
今回は、レピュテーションリスクの概要と顕在化する要因、そしてレピュテーションリスクを避けるための方法について解説します。

レピュテーションリスクって何?

企業活動をするにあたって、大事なものはいくつもあります。
具体的には、資金やノウハウ、従業員や情報セキュリティ体制などが挙げられます。
また、企業にはこれらと同じくらい大事なものがあります。
それが“評判(Reputation)”です。
つまり、レピュテーションリスクとは、“企業の評判が下がるリスク”のことを指しているのです。
その昔、企業を評価するポイントとして重視されていたのは財政面でした。
ただ、90年代後半に差し掛かったあたりから、少しずつ企業のブランド、人材、知的財産などが評価されるようになり、評判もまた重要な評価ポイントの1つとなったのです。
そのため、現在では、レピュテーションリスクを避けるための対策を取ることが多くの企業で一般的となっています。

レピュテーションリスクが顕在化する要因について

では、企業ではどんなときにレピュテーションリスクが顕在化するのでしょうか?

① 従業員が不祥事を起こす
企業の従業員が不祥事を起こしてしまうと、評判は一気に低下する可能性があります。
例えば、ここ数年話題になることも多い“バイトテロ”。
これは、飲食店等の従業員が店内で遊んだり、食材を粗末に扱ったりする様子をSNSで発信する行為であり、数々の企業がバイトテロによって評判を下げています。

② 労働環境の悪さが露呈する
労働環境の悪さが露呈したときも、企業の評判は著しく下がります。
例えば、残業時間が当たり前のように労働基準法が定める上限を超えていたり、有給休暇が取れなかったりする企業は、“悪い企業”のイメージがついても仕方ありませんよね。
また、労働環境の悪さが原因で、従業員が自殺するという最悪の事態になってしまったケースもあります。

③ 不正行為がばれる
不正行為がばれたときも、企業の評判は一気に低下します。
わかりやすいところで言うと、粉飾決算や提供する料理の産地偽装などが挙げられます。

回避するための方法は?

企業がレピュテーションリスクを回避するためには、主に以下のような対策を取る必要があります。

① 従業員の教育を徹底する
企業の上層部が対策を取っていても、従業員が不祥事を起こしてしまうと、それは企業そのものの不祥事となってしまいます。
そのため、従業員には軽率な行動がレピュテーションリスクを顕在化させることを認識させ、教育も徹底しなければいけません。
また、社内規定の中に、業務中に得た情報や映像をSNS等に投稿しないこと、ルールを破ったときの責任などについて記載しておくのも効果的です。

② 関連企業や人物を調査する
取引先等の関連企業、あるいは新しく入社する従業員などを対象に、調査を行ってくれるサービスがあります。
これを利用すれば、過去にその企業や人物が問題を起こしていないかなどを把握でき、レピュテーションリスクはある程度低くなるでしょう。

③ ネット監視サービスを利用する
実際企業に問題がなくても、ネットで拡散されたデマの情報によって、企業の評判が下がる可能性があります。
このようなリスクをなるべく避けたいのであれば、“ネット監視サービス”を利用しましょう。
これは、何の根拠もない自社の悪評などがネット上で見つかった場合、すぐ削除するなどの対応で、被害拡大を抑えてくれるサービスです。
また、デマを書き込んだ人物と裁判沙汰になってしまった場合に備えて、証拠として書き込んだ内容を保存してもらうこともできます。

自社の評判を知るための方法は?

企業の中には、現時点で自社の評判が高いのか低いのか、気になるというところもあるでしょう。
では、どうすれば自社の評判を把握することができるでしょうか?
その方法は、大手企業と中小企業で異なります。

① 大手企業が自社の評判を知るための方法
大手企業の場合、定期的に発表されている“働きたくない企業ランキング”、“ブラック企業ランキング”などをチェックすることで、比較的簡単に自社の評判を把握できます。

② 中小企業が自社の評判を知るための方法
中小企業の場合、前述のようなランキングには名前が記載されていません。
そのため、顧客や株主、取引先を対象にアンケートを実施し、匿名で評判を集めることをおすすめします。
また、顧客や株主の評判が良くなれば、株価が上がる可能性もありますので、アンケートの内容は真摯に受け止めなければいけません。

まとめ

ここまで、レピュテーションリスクに関するさまざまなことを解説してきましたが、いかがでしたか?
企業にとって、外部からの評判がどれだけ大事なものかということは、理解していただけたかと思います。
また、思いがけずレピュテーションリスクが顕在化することもわかっていただけたかと思うので、ぜひ1度企業体制を見直してみましょう。

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